銀座 うおがし銘茶

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ブログだけ読んでいるとお茶ばかりしていて暇そうに見えるが、東京での仕事は一応忙しくて職場をなかなか離れることが出来なかった。しかしせっかくの東京滞在なので、なんとか時間をやりくりして和カフェ巡りをしたのだ。

「銀座 うおがし銘茶」に行った日も朝から職場に詰めていたが、昼食を摂りに行くふりをしてお茶を飲みに行った。こちらは一階が茶葉や茶器の販売をしていて二階がカフェになっている。
店に着いた時はまだカフェが開いてなかったので、しばし一階で待っていたら、「おせっかい」というお茶を買っていく人が多い。3袋もまとめ買いしていくおじさんもいた。「おせっかい」とは何なのかと聞いたらこちらのお店の期間限定のお茶なんだそうだ。期間限定といわれて興味が湧いたけれど、うちにはまだ開封していないお茶がいくつかあるので今回は購入を見送った。
ここの店員さんも話しかけると気持ちよく応対してくれるのがうれしい。このお店は静岡のお茶を扱っているそうだが、私が話しかけた店員さんは九州の出身で、「地元では九州産のお茶を飲んでいたけれど、東京ではやはり静岡のお茶が殆どですね」と話していた。

さて、そうこうしているうちにカフェが開店したので一番乗りで注文する。玉露と煎茶が2種類楽しめるコースにした。
ここで驚いたのはお茶の前に日本酒が出てくること、もちろん舐める程度の量だけれど。店内も銀座の華やかな雰囲気とは一線を画した、静かで落ち着いた雰囲気。店内にはコの字型の木のベンチの上に等間隔に陶板が置いてあり、これがテーブルがわりになるため、客は陶板と陶板の間に座ることになる。
最初に玉露が出てきた。よく玉露の味を出汁に例えることがあるけれど、私はこちらの玉露を飲んで初めてその意味を実感した気がする。これがお茶の旨味というのだろう味が口の中に広がるのを感じた。その後お菓子と煎茶を2種類楽しんだ。
店内の花入れには茶の木が活けられていて白い花を咲かせていた。実は私は木から生えている茶の葉っぱをきちんと近くでまじまじと見るのも、茶の花を見るのも初めてだったのだ。お茶は葉っぱの方にばかり注目するけれど、花も素朴でかわいらしいと思った。
それから、お茶を淹れてくれた初老の女性の店員さんもとてもよい雰囲気を持った人だった。動作がシャキシャキしていて、一見ちょっと厳しそうで話しかけにくいような感じがするが「お茶の味はいかがですか?」と聞いてくれた時の笑顔が優しくてとても感じが良かった。憧れるけれど自分はこういう風にはなれそうもない。
慌ただしい東京滞在の中でほっと一息つけるとともに、陳腐な言い方だけどしばし自分を見つめる時間を持てた気がした。

ちなみに、この後も夜までずっと仕事場にいた。お店でお茶と小さなお菓子だけ食べて他で食事をする時間が無かったので夕食までの間は、大変空腹だった。

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