初煮会

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今日は煎茶道の二回目のお稽古だった。2016年に入って初めてのお稽古なので、いつもと違ってお茶会風に教室がセットしてあった。
お抹茶では「初釜」というが、お煎茶では「初煮会」と言うそうだ。お菓子の名前は「寒中梅」。
「三友手前」というお祝いの席に使われるお点前で、茶托の飾り方が松竹梅の形を模しているらしい。

初煮会の後で普通のお稽古に移った。前回は見ているだけだったが今回は初めて自分でもお点前をした。初めてなので一部分を省略した形式でお稽古をした。
初めてにしては結構出来た方だと思うが、もちろんそれは錯覚だ。隣に先生がついていてくれて、次の動作を指示してもらいながらやるのだから。

先生の指示通りに動いているだけだったが、お点前を初体験出来て結構楽しかった。
「お抹茶」に押されてしまって「お煎茶」は現在影が薄いが「お煎茶」も立派な日本の文化の一つだと思うので、これからもっと盛り上がっていって欲しいと思う。

東陽園 「駿河釜炒り茶 香駿」

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昨年デパ地下を探検していたら、お茶屋さんがあったのでのぞいてみた。贈答用の高級なものから普段使いのものまで、沢山の種類の茶葉が取り扱われていた。
その中で興味を引かれたのが「日本銘茶紀行」というシリーズの商品だ。これは、色んな種類のお茶を30gとか50gの小分けでパックしてある。「うちはいつもこの銘柄」と決めて買っている人も多いだろうが、特にそういう決まったお茶が無いとか、色んな種類のお茶を試してみたい、いつもと違うものを飲んでみたい、という時にこういう小分けで売ってくれる商品はありがたい。

私が買ったのは「駿河釜炒り茶 香駿」というものだ。実はこのお茶を買った事が、ブログを始めるきっかけになった。色んなお茶を飲み比べして記録してみたらどうか、と思ったのだ。
また、このブログで時々出てくる近所の日本茶カフェで「釜炒り茶」を飲んだ事が日本茶にはまるきっかけになったので、何かと思い出深い一袋だ。

「釜炒り茶」は普通の緑茶が茶葉を蒸して作るのに対して、名前の通り鉄の釜で炒って作るそうだ。あまり多くは出回っていないようで、私はカフェで初めて飲んだ。カフェで飲んだのは佐賀の嬉野産の釜炒り茶だった。

今回買った物とは産地や品種も違うが、釜炒り茶は独特の香りと味わいがある。淹れたお茶は明るい黄色で、口当たりがさっぱりとしている。カラッと晴れた日のような明るい味や香りだと思う。
初めて飲んだ時は、こんなに美味しいお茶があるのかと衝撃を受けた。それで調べてみると、同じ茶葉でもどのように仕上げるかで全く違うお茶になるのだと知って、さらに驚いたのだ。

先程も書いたが、釜炒り茶は私にとって「明るい」という印象のあるお茶だ。飲むと明るくて元気がでる気がする。落ち込んだ時や疲れた時は釜炒り茶を飲みたいと思う。

もしかしてバタバタ茶?

実はまだ例の阿波晩茶を飲んでいる途中だ。なかなか飲みきれない。
こういう個性的な味だと一言言ってくれてもいいようなものなのに、素知らぬ顔で出してきた店主がうらめしい。文句の一つも言いたくてさっきから目を合わせようと構えているが、何やら忙しそうにしてこっちを向かない。

ところで、大学生の時に友人達と金沢~富山~新潟と旅した事がある。その途中のどこかで研究室へのお土産としてお茶を皆で買った。やけに大きい袋に入っていたが大勢で飲むのだから良いと思った。
帰ってきて、研究室でそのお茶を淹れてみた所、これが激マズなのだ。飲んだ人全員が口を揃えて「不味い!」と叫ぶ。昔の事なので味はもう記憶に無いがとにかくまずいというのだけ覚えている。
富山にはバタバタ茶というのがあるそうで、新芽を摘まずに夏まで成熟させたものを蒸してから発酵させ、天日干しして作るという。
実はこの作り方が阿波晩茶とそっくりらしいのだ。本によるとほのかな酸味があるというが、これも同じだ。今飲んでる阿波晩茶は茶葉が茶色くて葉っぱそのままの形でかさがガサガサと大きい。これも記憶の中の激マズ茶とそっくりだ。

多分、おそらくだが、あのお茶は富山で買ったバタバタ茶だったのではないか?あの場にいた全員、そうとは知らなかったが。お店のおじいさんがやけに勧めてくるので、よく確かめもせず買ったがきっとそういう事だったのだろう。たぶん。

【追記】店主に聞いたところ、バタバタ茶は塩を入れて抹茶茶碗のような入れ物で専用の茶筅で泡立てて飲むそうだ。私達は普通に急須で入れたので不味かったのかと思ったが、店主曰く「昔正しい入れ方で飲んだが、自分もあまり好きな味ではなかった」とか。
あと、阿波晩茶はカフェのお客さんによっては結構好きだという人も割りといるらしい。昔家の周りに茶の木を植えていたような人は、懐かしい味だというらしい。
徳島の人、ご免なさい。阿波晩茶、好きな人も割りといるみたいです。

阿波晩茶

普段行っている日本茶カフェでは「全国の銘茶」として数ヵ月毎に違ったお茶を提供してくれる。
それで先月くらいから「阿波晩茶」というのがあり、なんでも珍しいお茶だとかで早速試してみた。
色は薄い麦茶のよう、香りは…普通のお茶とは全く違う、あまり良い香りとは思えない。
思いきって一口飲んでみる。

…まずい。

申し訳ないがすごくまずい。一般的な緑茶とはかけ離れた味だ。ほのかに酸味を感じる、というような説明があったが、ほのかどころではない。すごく酸っぱい。酸っぱいだけでなくなぜかゴムのような風味がする。
乳酸菌発酵させてあるのでお腹に良いらしいが、その前に胃と鼻を直撃されて気持ち悪くなった。

まさかお茶ブログでお茶の悪口を書くことになるとは思わなかった。私の味覚に合わないだけかもしれないが。
世の中にはまだまだ知らない事や自分の理解を越えたものがあると思い出させられるような衝撃的な味だった。

気になること

日本茶カフェに行くと、お茶を淹れてくれる店員さんが小さな湯呑みとかグラスで水(おそらく)を頻繁に飲んでいる。最初はあまり気にしなかったけど、カフェ巡りをしているうちに他のお店でも手の届くところに水を置いておいてしょっちゅう飲んでいた。あれは何なのだろう?のどが渇いてるだけだろうか、何か理由があるのだろうか?気になる。
またお茶を急須ごと出してくれる場合、必ずと言っていいほど急須の蓋が微妙にずらしてある。最初はムッ!と思って、すかさずきちんと閉じ直した。毎回毎回ずらしてくるのでその都度閉め直してあげていたが、他の店でもずらして出されたので何か意味があるのではないかと気づいた。
お茶の香りを楽しむためだろうか?こちらもとても気になる。