もしかしてバタバタ茶?

実はまだ例の阿波晩茶を飲んでいる途中だ。なかなか飲みきれない。
こういう個性的な味だと一言言ってくれてもいいようなものなのに、素知らぬ顔で出してきた店主がうらめしい。文句の一つも言いたくてさっきから目を合わせようと構えているが、何やら忙しそうにしてこっちを向かない。

ところで、大学生の時に友人達と金沢~富山~新潟と旅した事がある。その途中のどこかで研究室へのお土産としてお茶を皆で買った。やけに大きい袋に入っていたが大勢で飲むのだから良いと思った。
帰ってきて、研究室でそのお茶を淹れてみた所、これが激マズなのだ。飲んだ人全員が口を揃えて「不味い!」と叫ぶ。昔の事なので味はもう記憶に無いがとにかくまずいというのだけ覚えている。
富山にはバタバタ茶というのがあるそうで、新芽を摘まずに夏まで成熟させたものを蒸してから発酵させ、天日干しして作るという。
実はこの作り方が阿波晩茶とそっくりらしいのだ。本によるとほのかな酸味があるというが、これも同じだ。今飲んでる阿波晩茶は茶葉が茶色くて葉っぱそのままの形でかさがガサガサと大きい。これも記憶の中の激マズ茶とそっくりだ。

多分、おそらくだが、あのお茶は富山で買ったバタバタ茶だったのではないか?あの場にいた全員、そうとは知らなかったが。お店のおじいさんがやけに勧めてくるので、よく確かめもせず買ったがきっとそういう事だったのだろう。たぶん。

【追記】店主に聞いたところ、バタバタ茶は塩を入れて抹茶茶碗のような入れ物で専用の茶筅で泡立てて飲むそうだ。私達は普通に急須で入れたので不味かったのかと思ったが、店主曰く「昔正しい入れ方で飲んだが、自分もあまり好きな味ではなかった」とか。
あと、阿波晩茶はカフェのお客さんによっては結構好きだという人も割りといるらしい。昔家の周りに茶の木を植えていたような人は、懐かしい味だというらしい。
徳島の人、ご免なさい。阿波晩茶、好きな人も割りといるみたいです。

阿波晩茶

普段行っている日本茶カフェでは「全国の銘茶」として数ヵ月毎に違ったお茶を提供してくれる。
それで先月くらいから「阿波晩茶」というのがあり、なんでも珍しいお茶だとかで早速試してみた。
色は薄い麦茶のよう、香りは…普通のお茶とは全く違う、あまり良い香りとは思えない。
思いきって一口飲んでみる。

…まずい。

申し訳ないがすごくまずい。一般的な緑茶とはかけ離れた味だ。ほのかに酸味を感じる、というような説明があったが、ほのかどころではない。すごく酸っぱい。酸っぱいだけでなくなぜかゴムのような風味がする。
乳酸菌発酵させてあるのでお腹に良いらしいが、その前に胃と鼻を直撃されて気持ち悪くなった。

まさかお茶ブログでお茶の悪口を書くことになるとは思わなかった。私の味覚に合わないだけかもしれないが。
世の中にはまだまだ知らない事や自分の理解を越えたものがあると思い出させられるような衝撃的な味だった。

気になること

日本茶カフェに行くと、お茶を淹れてくれる店員さんが小さな湯呑みとかグラスで水(おそらく)を頻繁に飲んでいる。最初はあまり気にしなかったけど、カフェ巡りをしているうちに他のお店でも手の届くところに水を置いておいてしょっちゅう飲んでいた。あれは何なのだろう?のどが渇いてるだけだろうか、何か理由があるのだろうか?気になる。
またお茶を急須ごと出してくれる場合、必ずと言っていいほど急須の蓋が微妙にずらしてある。最初はムッ!と思って、すかさずきちんと閉じ直した。毎回毎回ずらしてくるのでその都度閉め直してあげていたが、他の店でもずらして出されたので何か意味があるのではないかと気づいた。
お茶の香りを楽しむためだろうか?こちらもとても気になる。

お茶の保存

茶葉はカリカリに乾燥しているものだからあまり保存に気を使わなくても良いように感じてしまうが、実は鮮度が命だったりする。なまものと違って、湿気ってさえいなければ多少古いものでも飲んで具合が悪くなるとかいうことはあまり無いと思うが、香りが飛んでしまったり味や色が変わってしまう。
茶葉が実際はどのくらい持つのか、とかどのように保存したら一番良いのか、というのは実は曖昧でよく分からないような気がする。
それで今回は茶葉の保存の仕方について調べてみた。

茶葉は冷蔵庫や冷凍庫で保管していれば絶対大丈夫なものと信じていたのだが、実はこれが意外と要注意みたいだ。
例え未開封でも袋の中に酸素が含まれていれば冷蔵庫の中でも酸化していってしまう。ただし常温よりも酸化のスピードは落ちる。
袋の中に脱酸素剤が入れてあるなど、中の酸素を取り除くような工夫がしてあれば冷蔵庫の中で数年保管出来るそうだ。
また冷蔵庫の中で保存していた場合、冷蔵庫から取り出してすぐに開封すると茶葉の表面に結露が生じて傷みが早くなってしまう。冷蔵庫から出して1日くらい放置し、常温に戻してから開封するのが良いそうだ。

そして開封済みの茶葉は機密性の高い容器に入れて湿度を避けてあれば半年以内は常温保存で良いそうだ。冷蔵庫保存すると、冷蔵庫の扉を開閉した時や茶葉を外に取り出した際に外との温度差で結露が出来てしまう。
また家庭の冷蔵庫では匂いのきつい食品を一緒に入れてあると匂いが移ってしまう可能性もあるらしい。
開封済みのものを半年以上保管したい場合は、冷蔵庫に入れておくほうが良い。常温に置きっぱなしにするよりは品質が保たれるらしい。ただし、上記のように冷蔵庫内でも酸化は止められないし少しずつ味や風味も変わってしまう事は避けられない。

冷蔵庫や冷凍庫で冷たく冷やしておけば安心だと思い込んでいたが、低い温度で保存するかどうかよりも酸化を防げるかどうかということの方が大切なのだと思った。また茶葉に湿気が良くないのは大抵の人が知っていて台所の蒸気があたる場所やじめじめした戸棚の中に置かないように気を付けているだろうが、急激な温度差による結露というのは意外と盲点なんじゃないかなと思った。

今日ここに書いた事は「お茶の専門店HOJO」さんのブログを参考にさせて頂いた。こんなにマニアックなまでに真剣にお茶に取り組んでいる人がいるのが驚きだったが、とても面白いので時々ブログを読ませてもらっている。

三星園上林三入本店 宇治ほうじ茶(徳用)

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お正月に祖母の家に行った時、冷蔵庫の中にほうじ茶の大袋があった。既に開封済みで少しは使われているようだったが、祖母は抹茶は好きだが普通のお茶にはほぼ興味がなく普段もあまりお茶を飲まないはずだ。案の定、賞味期限は2015.2.28となっている。「飲まない、もういらない。」とのことなので貰って帰ってきた。

三星園上林三入本店は創業天正年間、将軍家御用茶師という歴史と伝統のある宇治茶の老舗。実は祖母はここのお抹茶を愛用しているので、なにかのはずみでほうじ茶も手に入れたのだろう。

カレースプーンに山盛り4杯5g程を150mlの熱湯で30秒でサッと淹れる。
あっさりとした味わいで、私には少し懐かしい味に感じた。これは淹れてから熱いうちに飲むのが良いように思う。淹れてからあまり時間をおくと、苦味や渋味が出てきて飲みにくくなるように思う。またこれは好みだが、あまり濃く淹れても苦味が強くなってしまう。

最近個性的なほうじ茶をいくつか飲んだせいだろうか、このほうじ茶が私が親しんできたほうじ茶と言えばこの味という感じがした。普段飲むのにちょうど良い。

冷蔵庫で保管されていたものの、開封済みでしかも賞味期限を一年近く過ぎているので本来の味わいではないだろうが、まだまだ沢山あるのでしばらくはこれを家で飲もうと思う。京都に行く機会があれば宇治の三星園にも行って見たい。