銀座 「茶の葉」 阿寺

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松屋銀座の地下にある「茶の葉」。仕事の合間にリフレッシュのために訪れた。店頭では茶葉などの販売もしている。喫茶の店内に一歩入ればデパートの喧騒を忘れてしまうような、少し薄暗くて落ち着いた居心地の良い空間。

ここではお茶とお菓子のセットを頼んだ。お菓子はほうじ茶のお団子。お茶は「阿寺」というお茶で静岡県の山間部で少量作られているお茶だそうだ。このお茶は品種改良されたお茶に比べて、本来のお茶の味や香りを持っているのだとか。今日ではあまり生産されなくなっているという意味で貴重なお茶だそうだ。
こちらのお店は茶の本来の魅力というのを大切にしていて、色んな茶葉をブレンドしないで各地から集めたり、仕上げの段階でも茶葉の見た目を美しくする加工工程を省いていたりするそうだ。
また茶の味わいの違いをストロング、マイルド、ソフト、ライトという言葉で表している。お茶に詳しくなくても、どんなタイプのお茶か感覚的に分かるようにという工夫なのかな。私の飲んだ阿寺はストロング。

今は品種改良や色んな技術が発達して、昔より種類も豊富で高品質なお茶が沢山あるんだろうな、と何となく想像する。その分元々のお茶本来の味わい、というのにはちょっと興味をひかれる。

「茶の葉」ではお茶も美味しかったし、お店の雰囲気がとても気に入った。店員さんがとても感じが良くて、お茶に関する質問にはとてもハキハキと楽しそうに答えてくれてこちらも楽しくなった。遠いので度々行くことが出来ないのが何とも残念だけれど、東京に行く機会があれば他のお茶も試してみたい。

表参道「茶茶の間」 青い鳥のコース

東京に行ったら是非行ってみたいと思っていたお店「茶茶の間」。ネットで検索すると必ず出てくるので気になっていたけれど、知り合いの知り合いにお茶業界の人がいて、その人も薦めているという事でこれは行かねば!と思った。
その知り合いのお茶業界の人が「青い鳥」「桃源郷」「秋津島」の3種類をおすすめしてくれたのだけれど、今回はお店の人に相談して「青い鳥」のコースを飲むことにした。

まずは急須に茶葉だけを入れた状態で出してくれる。香りをかいでみるとちょっとフルーティーな香りがする。

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次にその茶葉の上に氷を置く。そこから室温で氷が溶けるのを待つのだ。なんだかまだるっこしいような気もするけれど、お店の人と話をしたり、まだかまだか?とワクワクしながら待つのもなかなか楽しいものだ。

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ようやく出来た一杯目。小さなお猪口にほんの少しだけだけれど、口に含むと濃い味と香りが口いっぱいに広がる。飲んでいるときは苦味や渋みを感じるのに、飲んだ後は口の中に甘さが残る。

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二杯目は熱いお湯で入れてもらう。渋みを感じるのだけれど、口の中から鼻にとても良い香りが抜けていくのが分かる。お茶の説明を読むと「口いっぱいに青い鳥が飛び交うような香りの広がり」という表現があって、なるほどと思った。

三杯目がちょっと意外で、この茶葉で淹れたお茶を炭酸水で割って飲むのだ。入れ物も湯呑みではなくワイングラスに入っている!お茶の炭酸割りなんて・・・とちょっと最初は心配だった。 初めの方は炭酸がきつくて炭酸水を飲んでいる感じしかしないが、少し落ち着いてくると炭酸のシュワシュワの奥に緑茶の味が微かに感じられるようになる。私が飲んだのは11月で少し寒くなりかけている時期だったが、これは夏ならもっとガブガブ飲みたくなるはずだと思った。

 

四杯目はやはりお湯でたっぷり淹れてもらう。この辺りでようやく家で飲むような感じのお茶になる。味も香りもこれまでよりはやはり控えめになるが、1~3杯目が初めて味わう感じばかりで、まるでジェットコースターに乗っているみたいな驚きの連続だったのでようやく落ち着く。

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お茶を飲みながら店長さんとお話をすることができたが、このお店では喉が渇いたから飲むようなお茶ではなく、タバコやコーヒーみたいな”嗜好品”として楽しむお茶を追求されているとのこと。今は良いお茶が大量生産出来るようになり、皆適当に淹れてガブガブと飲むけれど、昔はお茶というのは貴重なもので、もっとじっくり味わうのが本来の飲み方だったとのこと。そう言われてみると、今は良いお茶をものすごく贅沢な飲み方をしているのではないかなと感じた
現代は技術が発達した為に良いお茶を誰でも簡単に手に入れられるようになったのは良いことだけれど、そのためにお茶の豊かな味わい方を忘れてしまうのは少し悲しい。
「茶茶の間」では同じ茶葉でこんなにも色んな楽しみ方が出来るという驚きと楽しさを感じた。それと共に、お店の人のお茶への愛と、お客さんに対するおもてなしの心もすごく感じた。

このお店には是非また来てみたいと思う。

 

森乃園 極上ほうじ茶

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東京の人形町に、美味しいほうじ茶を売っているお店があるという話を聞いていたので行ってみた。

そのお店は大正3年創業の「森乃園」さん。100年以上ほうじ茶一筋とか。お店の前の道路にまで、ほうじ茶を作る良い香りが満ちている。一応ほうじ茶以外も置いてあるみたいだけれど、お店が作っているほうじ茶がこれでもかというくらい、お店の外にまで並べてある。今回は「森乃園」イチオシの「極上ほうじ茶」を購入。このパッケージのキラキラ具合でも、お店のイチ推しっぷりが分かる。

だが家に帰ってから、私は早く飲んでみたくて淹れ方をよく調べずに慌てて淹れてしまった。そのため、・・・あれ? まあ普通に美味しいけど思った程でもないかも。というちょっとしたガッカリ感を味わうはめになってしまったのだ。
「森乃園」のHPで正しい淹れ方を調べてみたところ、1回めに淹れた時は全く違った淹れ方をしていたことが分かった。
まず大事なのはやはり茶葉の量。1人分は5グラムとあるが、「極上ほうじ茶」は茶葉が大きいので結構かさが大きい。カレースプーンにいっぱいでようやく1グラムだった。5グラムだとけっこう多めに見える。
次に大事なのは必ず熱湯で淹れること。これは購入した時にお店の人にも念を押された。HPではさらに細かいコツが紹介されていて、お湯を高い位置から注いで茶葉に勢い良く当て熱湯で茶葉をぐるぐる泳がせるそうだ。
そうして、3分抽出する。こうやって濃く、しっかりと出すことが美味しく淹れるポイントだそうだ。
私の場合は茶葉が少なすぎたのと、お湯は熱湯だったが低い位置からそっと注いで、湯呑みに注ぐ時もそーっと注いでしまっていた。なぜそんなに慎重になっていたのかは分からないけれど。

さて、気を取り直して正しい淹れ方で淹れてみたら。・・・!最初と全然違う味! 濃いんだけれど、渋さや苦さはなくてまろやかな味。入れっぱなしのお茶や、二煎目以降のものは少し飲みにくい味になってしまうものもあるが、これは、ずっとまろやかさが失われない。香りは少し控えめ。

先日の「林家新兵衛」のほうじ茶が華やかな香りで上品な味わいなのに対して、「極上ほうじ茶」はもうちょっと素朴な感じ。個人的な感想だと1回飲んだだけなら多分特別際立ったものは感じない、まあこんなもんかという感じ。たださすが東京の下町のお店が作っているだけあって、よそ行きの味ではなく普通の人の普通の生活に馴染む味なので、何度飲んでも飽きることなくまた飲みたくなってしまう。家での食事の時や、寝る前、ちょっと一息つきたい時にゴクゴク飲みたくなる、そんなお茶。買った時は一人で飲むにはちょっと多いかも、と思っていたのに一週間ちょっとでもう半分くらいになってしまった。

あと他の人も言っていたのだけれど、このお茶を飲んだ後、気のせいかもしれないけれど体がなんだかポカポカする。寒い冬にはぴったりかもしれない。

銀座 林屋新兵衛

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仕事で東京へ行くことがあった。東京なら有名な和カフェも沢山あるだろうということであちこちまわった。最初に行ったのは「銀座 林家新兵衛」。まだ開店してからそんなに経っていない新しいお店だ。
友人達と3人で行ったのだけれど、友人達は抹茶ラテと抹茶パフェ、私は焙じ茶を注文した。

普通に考えるとパフェが作るのに一番時間がかかりそうなイメージがあるが、パフェや抹茶ラテが早々に出来てきたのに対して焙じ茶が出てくるのに一番時間がかかる。これだけもったいぶられると否が応でも期待が高まる。

ついに焙じ茶が登場した。その瞬間、私を含めて同じテーブルの3人が焙じ茶の素晴らしい香りに圧倒された。
「え!すごい良い香り!」「お茶ってこんなに香るの!?」 漫画の茶柱倶楽部では主人公の鈴がお茶を出した時に、お客さんがこういうセリフを言うシーンが時々あるが、そんな漫画のシーンが現実でそのまま再現された事に、お茶の香りと同じくらい感動した。漫画とかではお茶の湯気とか香りをフニャ~とした線で表現することがあるけれど、そんな香りの筋が空中に漂う様が目に見えそうなくらいの香りだった。もちろん味も美味しいのだけれど、私はこの気高いと言ってもいいくらいの香りにとても感動した。
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お茶は3煎目までいただけるのだけれど、毎回茶道で使う釜で沸かしたお湯で淹れてくれる。また、お茶にはミニどら焼きが付いてくるのだが、菓子皿が九谷焼だったり、一緒にいた友人が金沢在住で「金沢にも林屋さんてお茶のお店がある」と話していたり何となく金沢を感じさせると思っていたら、林屋は初代の林屋新兵衛が金沢で創業し、三代目が宇治に茶園を開いたそうだ。
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因みにこちらのお店は夜中までやっていて、銀座の真ん中で夜遅くまでお茶やスイーツが楽しめるのだけど、夜はお茶を使ったカクテルなんかも楽しめる。私は後日1人で行って、「金沢」という日本酒ベースのカクテルを飲んだ。夜の銀座は若い女性が一人で入るのにはかなり勇気のいるお店が多いように思うが、こちらは夜に女性が1人で入るのにあまり抵抗を感じない貴重なお店のように感じた。写真のカクテルに浮かんでいる白いのはメレンゲ。とても固く泡立ててあって甘い、冷たくないアイスクリームみたいだ。お酒に溶かしてもよいそうだが、勿体無いので最後までスプーンですくって食べた。

帰りには銀座のホステスさんが歩いているのを横目で見つつ、ほろ酔い気分で地下鉄の駅に向かった。

山壽杉本商店 「香ばしほうじ 胡麻ほうじ」

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仕事で東京へ行った時、静岡のサービスエリアに寄った。さすがお茶所のサービスエリアだけあってお茶コーナーの充実感が半端では無かった。あれもこれも欲しくなってしまったが、山壽杉本商店さんのティーバッグの4つ入りを買った。これは山壽杉本商店の扱っている茶葉のうち4種類を1つずつ試せる。

今回は寒くなるにつれてほうじ茶が気になってきていたので、「香ばしほうじ 胡麻ほうじ」を飲んでみることにした。ほうじ茶に焙煎した黒胡麻を加えてあるということだけれど、これがかなりおいしい! 食べる時の胡麻とは違う香りなので、言われなければ胡麻が入っているとは分からないかもしれないが、普通のほうじ茶とは違う香ばしい香り(ちょっと燻製みたいな?)や深い味わいがあって、後引くおいしさ。今回はティーバッグが1つだけなので一杯しか飲めなかったが、必ずリピートしてもう一度ゆっくり味わいたいと思う。